前回、学生ボランティア団体を通じてウクライナにコートを届けたテラオエフ。今回はコートを寄付するまでに至った衣料廃棄についての問題を深掘りしたいと思います。
衣服ロスは華やかな平成のアパレル産業の闇
「衣料廃棄」と「衣服ロス」。服を処分するという結果は同じでも、それぞれ問題が生まれる背景は異なります。
まずは衣服ロスが生まれる背景からお話ししたいと思います。
平成を彩るファッション産業。寺尾社長はアパレルの作り方・売り方が大きく変化した30年だったと語ります。
昭和の時代は、卸型メーカーから小売りする町の衣料品店が多く軒を連ねました。私の母も駅前の商店街か百貨店で服を買っていた記憶があります。
そこから90年代はSPAと呼ばれる製造小売型のブランドが増えいきました。いわゆるショッピングモールにあるようなブランドです。
アパレル生産は日本から中国へ拠点を移し、「価格破壊」という言葉が流行語になります。販売のコントロールも東京本社で一極集中。ロットを大量生産し、服の値段はどんどん安価になり。2000年代には「ファストファッション」という言葉が浸透しました。
きれいな女優さんやモデルさんが宣伝する、イメージ優先のテレビコマーシャルが華やかにファッション業界を彩りました。
しかし、テレビや雑誌を参考にした右に倣えの流行ファッションが大量に生産され、あっという間にSALE価格に。販売においてもSALE価格を見越した価格付けがされ、倉庫ではたくさんの在庫を抱えることになりました。
各社売れ残った商品は、焼却処分しなければ自社のブランディングを落としかねない。このような負の連鎖が、多くのアパレル業界が倒産に至った理由。そこから平成の終わりに、サステナブルという考えが世界中で共通認識となり、大量生産を見直す風潮が生まれてきたと寺尾社長は語ります。
令和のアパレルブランドづくりに問われるリテラシー
かつての大量生産至上主義のブランドが通用しない時代。
今、立ち上げるブランドは過剰在庫を持たない傾向にあります。テラオエフへのブランド立ち上げのお問い合わせにも、小ロットでの生産や受注販売を希望するお客様が多くいらっしゃいます。
アパレル生産の生地は何反も大量に発注することで、工業ロット価格で仕入れることができます。
しかし、小ロットで生産を希望する場合は1枚あたりのコストがかなりアップ
オートクチュールでの生産をに近いコストが発生します。
また、受注を締め切ったタイミングで、生地在庫が完売している恐れもあります。
実際他のアパレルOEM会社に依頼して、このようなトラブルで商品をエンドユーザーに納められないというトラブルで、弊社に緊急生産依頼の声がかかる場合があります。
生地や資材についても過剰に生産しない時代。そのうえ、小ロットでの発注だった場合単価がアップするのは当然です。
こういった生産背景やコストを理解したうえで、ブランド運営するスキルが、新しいブランドには求められています。
テラオエフでは自社工場だけでなく、多くの生産背景と協力し
生地、副資材を、まとめて発注することで安定した供給ができ、納期や品質にトラブルないよう生産をコントロールするプロのアパレルOEMです。
日本製については、トラブル回避のために、企画、パターン、裁断、縫製、プレス、梱包すべてが同じエリア内で対応でき
問題があった場合は、すぐに社内共有でき対応策を考えることができる
生産特化型アパレルOEMメーカーになります。
「安定した生産の上に、品質が成立する。」
を、モットーにテラオエフはこれからも服作りに向き合います。